「自社施工って書いてあるけど、本当に自社でやってくれるの?」「下請けに出されるとどんな問題があるの?」——外壁塗装の見積もりを手にしたとき、こんな疑問を感じたことはありませんか?

実は、「自社施工」と謳いながらも実態は下請け業者に丸投げしているケースは業界内で珍しくありません。自社施工か下請けかの違いは、工事の品質・費用・アフターフォローのすべてに影響する重要なポイントです。この記事では、第三者機関として年間1,000件以上の見積もり相談を受けてきた「外壁塗装セカンドオピニオン」の視点から、自社施工と下請けの違い、そして悪質な”丸投げ業者”の見分け方を徹底解説します。

外壁塗装における「自社施工」と「下請け」とは

自社施工とは、見積もりや契約を行った会社が自社の職人を使って工事を行うことを指します。一方、下請けとは、元請け業者(契約先)が実際の工事を別の塗装業者に外注する仕組みのことです。

下請け構造そのものが必ずしも悪いわけではありませんが、「自社施工」と明示しながら実際には下請けに投げているケースは、費用の水増しや責任の所在の曖昧化につながる問題があります。

下請け構造が生まれる仕組み

外壁塗装業界では、訪問販売や広告を多く打つ営業会社が「元請け」として契約を取り、実際の施工を地元の塗装職人集団(下請け)に発注するビジネスモデルが広く存在しています。この場合、中間マージンが発生するため、以下のような問題が起きやすくなります。

  • 元請けが中間マージンを上乗せするため、工事費が割高になる
  • 下請けへの発注単価が削られ、使用する塗料のグレードが下がることがある
  • トラブル発生時に「元請け」と「下請け」の間で責任の押し付け合いが起きる
  • 施工後のアフターフォローが機能しにくい

自社施工と下請けで費用はどのくらい違う?

30坪の一般的な住宅の外壁・屋根塗装を例にすると、自社施工業者の相場は60万〜90万円程度ですが、下請け丸投げの元請け業者では同じ工事内容で90万〜130万円以上になるケースもあります。

その差額の多くは、元請け業者が抜く中間マージンです。「大手だから安心」「広告をたくさん出しているから信頼できる」という思い込みが、実は割高な工事につながっている場合があります。

中間マージンの目安

  • 元請け業者の利益率:工事費の20〜40%程度が相場
  • 下請けへの支払い単価:元請け請求額の60〜80%程度
  • 結果として、同じ工事内容でも20〜50万円の差が生じることも

「自社施工」と謳う業者の実態——セカンドオピニオンの現場から

当サービスに寄せられる相談の中で、非常に多いのが「自社施工と言われていたのに、来た職人が違う会社のトラックだった」というケースです。

外壁塗装セカンドオピニオンで診断した見積もりのうち、約4割のケースで「自社施工」の表記があるにもかかわらず、見積書の内訳や業者の回答から下請け使用が疑われる内容が確認されています。

特に多い手口が、「営業担当は自社、施工は協力会社」という説明です。協力会社とは、業務を外部に委託する際に使われる表現で、実態は下請け業者と変わりません。この言い方で”自社施工”の印象を持たせながら、実際には外注しているという事例が後を絶ちません。

実際に寄せられた相談事例

事例①:「自社施工30年の実績」に騙されそうになったケース

先日、築18年の戸建てにお住まいの神奈川県・50代女性から相談がありました。地元でよく折り込みチラシを入れている塗装会社に問い合わせたところ、「自社施工30年の実績」を強調され、見積もり金額は118万円でした。

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見積書を当サービスで確認したところ、足場代・塗料代・工賃のバランスが明らかに不自然で、塗料名も「高耐久フッ素系塗料(弊社特別仕様)」という記載のみ。具体的なメーカー名・製品名がどこにも書かれていませんでした。

追加で確認を促したところ、実際の施工は「提携の職人チーム」が行うことが判明。使用塗料も一般的なシリコン塗料で、適正価格は75万円前後でした。最終的に別の自社施工業者と契約し、43万円の節約に成功されました。

事例②:工事後のトラブルで責任の所在が不明になったケース

埼玉県・40代男性からは、塗装工事完了後1年で雨漏りが発生したという相談がありました。契約した元請け業者に連絡すると「施工したのはウチじゃないから、直接職人に言ってくれ」と言われ、下請けの職人に連絡するも「元請けから言ってもらわないと動けない」と、互いに責任を押し付け合う状況になっていたとのことです。

工事後のトラブルで最も困るのが「責任の所在が曖昧になること」です。自社施工の業者なら窓口が一本化されており、こうした問題は起きにくくなります。

自社施工業者を見分ける5つのチェックポイント

「でも、どうやって本当の自社施工業者を見分ければいいの?」——安心してください。いくつかの確認ポイントを押さえるだけで、見分けることは十分に可能です。

  • ①会社の住所と工事現場の距離を確認する:自社施工業者は地域密着型が多く、施工エリアが限定されています。「全国対応」「どこでも即対応」という業者は要注意です。
  • ②担当職人の名前と資格を確認する:「塗装技能士」などの資格を持つ職人が自社に在籍しているか、氏名で確認させてもらいましょう。
  • ③見積書に塗料のメーカー名・品番が明記されているか確認する「高耐久塗料」「弊社特別仕様」のような曖昧な記載は、塗料のグレードを隠している可能性があります。
  • ④現地調査に来るのが営業担当か職人かを確認する:自社施工業者では、現地調査に職人や現場監督が同行することが多く、建物の状態を直接確認します。営業マンのみの場合は注意が必要です。
  • ⑤アフターフォローの対応窓口を明確に確認する:「施工後○年間の保証」だけでなく、「何かあったときに誰に連絡すればよいか」を明示できる業者を選びましょう。

お客様の声

「チラシで見た業者に見積もりをお願いしたら、自社施工と書いてあったのに何となく信用できなくて相談しました。見積書の写真を送っただけで、塗料名が不明確なこと・足場代が割高なことをすぐに指摘してもらえて、もやもやがスッキリしました。結局、地元の自社施工業者に変えて35万円安くなりました。相談して本当によかったです。」
(神奈川県・50代女性)

まとめ:自社施工と下請けの違いを押さえて賢く業者を選ぼう

この記事の要点を整理します。

  • 自社施工とは、契約した業者が自社の職人で工事を行うこと。下請けとは、外部業者に施工を外注する仕組みのこと。
  • 下請け丸投げ業者では中間マージンが発生し、同じ工事内容でも20〜50万円割高になるケースがある
  • 「自社施工」と謳いながら実態は下請けという業者が業界全体の約4割と推測され、見積もりの内容からも確認が必要
  • 職人の氏名・資格、塗料のメーカー名・品番、アフターフォローの窓口などを事前に確認することで、本当の自社施工業者を見分けられる
  • 工事後のトラブルを防ぐためにも、責任の所在が明確な自社施工業者を選ぶことが重要

見積もりを受け取ったとき、「自社施工」の一言だけを信じるのではなく、この記事で紹介したポイントをひとつひとつ確認する習慣をつけることが、後悔しない外壁塗装につながります。不安な点があれば、第三者の目で見積書を確認してもらうことが、最も確実な判断方法です。

よくある質問(FAQ)

Q1.外壁塗装で自社施工と下請けでは費用がどのくらい違いますか?
A.30坪の一般的な住宅の場合、自社施工業者の相場は60万〜90万円ですが、下請け丸投げの業者では90万〜130万円以上になるケースもあります。中間マージンは工事費の20〜40%程度が相場で、同じ工事内容でも20〜50万円の差が生じることがあります。
Q2.自社施工と書いてある業者でも実際には下請けに出しているケースはどのくらいありますか?
A.外壁塗装の第三者相談機関の診断によると、「自社施工」と表記がある見積もりのうち約4割のケースで、実際には下請け使用が疑われる内容が確認されています。「協力会社が施工する」という説明も実態は下請けと変わらないため注意が必要です。
Q3.下請けに丸投げされると品質面でどんな問題がありますか?
A.元請けから下請けへの発注単価が削られることで、使用する塗料のグレードが下がる可能性があります。実際に「高耐久フッ素系塗料」と説明されながら実際は一般的なシリコン塗料だったケースもあり、適正価格より43万円以上割高になっていた事例もあります。
Q4.外壁塗装を下請けに丸投げされた場合、工事後のトラブルはどうなりますか?
A.工事後にトラブルが発生した場合、元請けと下請けの間で責任の押し付け合いが起きやすく、迅速な対応が受けられないリスクがあります。実際に塗装完了から1年で雨漏りが発生したにもかかわらず、元請け・下請け双方が対応を拒否したケースも報告されています。自社施工業者であれば窓口が一本化されるためこうした問題は起きにくくなります。
Q5.見積書に塗料のメーカー名や製品名が書いていない場合は問題ですか?
A.塗料名が「高耐久フッ素系塗料(弊社特別仕様)」などの曖昧な表記のみで、具体的なメーカー名・製品名が記載されていない場合は要注意です。こうした見積もりは実際には安価なシリコン塗料が使われているケースがあり、適正価格より数十万円高い金額を請求されている可能性があります。

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