「外壁の見積もりをもらったけど、庇(ひさし)の塗装って含まれているの?そもそも庇ってどこ?」と、見積書を前に首をかしげていませんか?実は、庇は外壁塗装の見積もりで最も見落とされやすい部位のひとつ。気づかないまま工事が終わり、「あの部分が傷んでいた…」となるケースが後を絶ちません。この記事では、外壁塗装における庇の塗装費用の相場から、見積書の確認ポイントまで、第三者機関の視点でわかりやすく解説します。
庇(ひさし)とは?外壁塗装でなぜ重要なのか
庇(ひさし)とは、窓や玄関ドアの上部に取り付けられた小さな屋根状の突き出し部分のことです。雨や直射日光を遮る役割を持っており、外壁や開口部を雨水から守る重要な部位です。
素材はトタン(鋼板)・ガルバリウム鋼板・アルミ・樹脂などさまざまで、特にトタン製の庇は錆びやすく、放置すると外壁へ雨水が伝い、腐食やシミの原因になります。外壁だけきれいにペイントしても、庇から錆び汁が流れてしまっては元も子もありません。
外壁塗装工事で足場を組むタイミングは、庇のメンテナンスを同時に行う絶好の機会です。足場を組み直すだけで数万円〜十数万円のコストがかかるため、外壁塗装と同時施工がコスト的にも合理的です。
庇の塗装費用の相場はいくら?
庇の塗装費用は、サイズ・素材・傷みの程度によって大きく変わりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
庇1か所あたりの塗装費用目安(2026年現在)
- 小さい庇(幅60cm程度):5,000円〜1万5,000円
- 中程度の庇(幅90cm〜1.2m程度):1万5,000円〜3万円
- 大きめの庇・勝手口上など(幅1.5m以上):3万円〜5万円以上
一般的な戸建て住宅では、窓の数だけ庇が付いていることも多く、2階建てで庇が6〜10か所ある場合、合計で5万円〜20万円程度の費用がかかることも珍しくありません。
また、錆が進行していたり、板金の継ぎ目にひび割れがあったりする場合は、塗装だけでなく板金補修や交換が必要になることもあります。その場合は1か所あたり3万円〜8万円程度が追加でかかるケースもあります。
庇の塗装工程と使用する塗料
庇の塗装は一般的に以下の工程で行われます。
- ① ケレン(下地処理):錆や旧塗膜をヤスリや工具で除去する
- ② 錆止めプライマー塗布:金属面の腐食を防ぐ下塗り材を塗る
- ③ 中塗り・上塗り:耐候性の高い仕上げ塗料を2回塗り重ねる
ケレンとは、塗装前に表面の汚れや錆・旧塗膜を除去する下地処理作業のことで、塗装の密着性を高めるために欠かせない工程です。このケレン作業が省略されると、塗膜がすぐに剥がれてしまいます。見積書に「ケレン」の記載があるか確認しましょう。
実際に寄せられた相談事例:庇が見積もりに入っていなかった
先日、築18年の2階建て一戸建てにお住まいの方(神奈川県・50代女性)からこんな相談が届きました。
「2社から外壁塗装の見積もりをもらいましたが、金額差が20万円以上あってどちらが正しいのかわからなくて…」とのことでした。見積書の写真を送っていただき確認したところ、安い方の業者の見積もりには、庇と雨戸・戸袋の塗装がまるごと抜けていたのです。
その業者に問い合わせたところ「オプションになります」との回答。庇だけで8か所あり、追加すると結局もう一方の業者と同程度の金額になりました。「安い見積もり=お得」とは限らない典型的なパターンです。金額だけで判断せず、何が含まれているかを必ず確認することが大切です。
セカンドオピニオンの現場から:庇の記載が曖昧な見積もりに要注意
当サービスでは年間を通じて多くの外壁塗装見積もりを診断していますが、庇・雨戸・帯板などの付帯部が「外壁塗装一式」にまとめられており、実際には含まれていないケースが約4割程度見受けられます。
見積書に「付帯塗装 一式 〇〇円」とだけ書かれている場合、庇が含まれているのかどうかが不明確です。見積書に「一式」としか書かれていない場合は、「庇は何か所分が含まれていますか?」と必ず業者に確認しましょう。
優良業者であれば、庇の数量・塗装面積・使用塗料・工程がきちんと明記されています。曖昧な業者は、後から「追加費用が発生します」と言い出すリスクがあります。
見積書で庇に関して確認すべきポイント
見積もりを受け取ったら、庇に関して以下の点を必ず確認してください。
- 庇の塗装が見積もりに含まれているか(「付帯部塗装」「庇塗装」などの項目があるか)
- 庇の数量・か所数が記載されているか(「庇 8か所」など具体的な数字があるか)
- ケレン(下地処理)が工程に含まれているか
- 錆止めプライマーの使用が明記されているか(金属製庇の場合は必須)
- 使用塗料のメーカー・品番が記載されているか
これらが明記されている見積書は、施工品質が担保されやすく、後からのトラブルも起きにくい傾向があります。逆に、これらが記載されていない見積書は、工事内容が後から変わるリスクがあるため注意が必要です。
庇の塗装を後回しにするとどうなる?
「庇くらい後でいいか…」と思いがちですが、放置するとリスクが高まります。
- 錆が進行し、庇そのものの交換が必要になる(塗装費用の数倍のコストに)
- 錆汁が外壁に流れ落ち、外壁に茶色いシミが広がる
- 雨水が外壁と庇の隙間から浸入し、内部の腐食につながる
外壁塗装のタイミングで足場が組まれているうちに庇も一緒にメンテナンスするのが、コスト・品質の両面で最も合理的な判断です。
お客様の声
「見積もりに庇が含まれているかどうか、自分では全然わかりませんでした。写真を送って相談したら、庇とウッドデッキの塗装が抜けていることを指摘してもらえて。業者に確認したら追加料金を提示されたので、別の業者に変更しました。最終的に同じ金額でより内容の充実した工事ができました。相談してよかったです。(愛知県・40代男性)」
まとめ:庇の塗装は「ついで」ではなく必須のメンテナンス
この記事のポイントを整理します。
- 庇は外壁塗装で見落とされやすい部位だが、雨水・錆の観点から非常に重要
- 費用の目安は1か所あたり5,000円〜5万円(サイズ・傷みによる)
- 見積書に「庇」の記載がない・「一式」だけの場合は内訳を確認する
- ケレン・錆止めプライマーの記載があるか必ずチェック
- 外壁塗装と同時施工が、コスト面で最も効率的
見積もりの「金額の大小」だけでなく、「何が含まれているか」を確認することが、外壁塗装で失敗しないための最大のポイントです。庇ひとつをとっても、見積書には業者の誠実さが表れます。受け取った見積書を今一度、この記事のポイントを参考にしながら見直してみてください。